その優しさでとどめを刺して


「……シロっ」
「ん?」
「今の、本当だって。私をほんとに好きなんだって。そう信じちゃうよ?」

うんと頷いたその瞳に少しだけ緊張の色が混ざったことに、胸がぎゅぅっと甘く締め付けられる。


「私も、好き……だから」

視線を交わらせたまま、伝わって欲しいと願い込めて口にする。

最後は消え入りそうなくらい小さく萎んでいったけれど、シロの耳にはしっかり届いたようで嬉しそうに細められた目元がほんのり赤くなる。


「どうしよ、すげぇ嬉しい。抱きしめたい」
「私も、ぎゅってしたい」

周りがとか、ここ外なのに、なんて言葉は出てこなかった。

どうせあんだけさっきまで泣き喚いていたのだから今更だ。

それに夢の国なのだからどこもかしこもふわふわしていて、私たちだけが浮いてるなんてこともきっとなくて。