ミラは城から繋がる森へと出かけた。
心地よい風が吹き
小鳥たちの鳴き声が聞こえる。


少し歩くと
湖が見えた。
湖の周りには花が咲いており
ミラのお気に入りの場所だった。

ミラはちょうどいい木の株に
腰掛ける。

そして首に掛けていた手のひらサイズの
懐中時計を外す。

中を開くとキラキラと輝いており
針が静かに動いている。


「やっぱり思い出せない・・・」
懐中時計を見ながらそう呟くミラ。

ちいさな頃から
大切にしていた懐中時計。