僕の昼に夜明けを

世にも珍しい読心の才能はランクがどうであれ、国内だけではなく世界中で大切にされる才能だ。このおばあさんはその才能を持っているかのようにまた、微笑んだ。
「おばあちゃん、ただいま」
すると、彼女が帰ってきた。
「おかえり、夜子。夜子のクラスメイトが来てくれたよ」
「クラスメイト?」
僕を見つけた彼女は、すごい剣幕でこちらを見る。
「なんでいんの」
「僕は、夜子さんと同じ文化祭実行委員になって、それで」
「別に勝手にやればいいじゃん」
(僕の才能のせいで、勝手にできないから来たんだけどな…)
必要最低限の会話はあるけれど、友達らしい会話はできていなかった。
「あーもーわかったよ。明日から行くから。それでいい?