6月になり、文化祭の季節となった。僕は案の定、貧乏くじを引いて文化祭実行委員になってしまった。そして、あの一条夜子さんも委員を決めるときにいなかったため、自動的に僕と同じ文化祭実行委員になった。担任に言われ、今日は放課後に一条さんの家に向かった。場所は、高級マンションで地元では有名なところだった。
(親がお金持ちの才能でもあるのかな)
フロントにあるインターホンを押すと、彼女の祖母らしき人が出た。
「いちじょ…夜子さんのクラスメイトの五条真昼です。夜子さんはいらっしゃいますか?」
「あの子なら、もう少しで帰って来ると思うよ。上がって待ってなさい」
穏やかな声色だった。
言われた部屋にたどり着くと、彼女と似ても似つかないおばあさんが出迎えてくれた。
「わざわざ来てくれてありがとうね。お菓子あるから、ゆっくりしていってね」
彼女は、この人と二人暮らしなのだろうか。自分と境遇が似ているんじゃないかと少し親近感が湧いたりした。
「あの子と私しか今は住んでないよ」
にこにこと僕の心を見透かすようにおばあさんからそう告げられた。
「え」
「あ、ごめんなさいね。気をつけてはいるのだけれど」
このおばあさんは、読心の才能を持っているのかもしれない。
(親がお金持ちの才能でもあるのかな)
フロントにあるインターホンを押すと、彼女の祖母らしき人が出た。
「いちじょ…夜子さんのクラスメイトの五条真昼です。夜子さんはいらっしゃいますか?」
「あの子なら、もう少しで帰って来ると思うよ。上がって待ってなさい」
穏やかな声色だった。
言われた部屋にたどり着くと、彼女と似ても似つかないおばあさんが出迎えてくれた。
「わざわざ来てくれてありがとうね。お菓子あるから、ゆっくりしていってね」
彼女は、この人と二人暮らしなのだろうか。自分と境遇が似ているんじゃないかと少し親近感が湧いたりした。
「あの子と私しか今は住んでないよ」
にこにこと僕の心を見透かすようにおばあさんからそう告げられた。
「え」
「あ、ごめんなさいね。気をつけてはいるのだけれど」
このおばあさんは、読心の才能を持っているのかもしれない。

