僕が10歳になった時、神様から貧乏の才能をもらってから人生が一変した。なぜ、最低ランクのEではなく、Sだったのか。なぜ、そもそも貧乏の才能などあるのか。
僕はこの才能のせいで、家族とは疎遠になってしまった。唯一、祖父が優しく接してくれて僕のために才能のランクによっては入れる寮のある学校を探してくれた。祖父が、お金持ちの才能のAで良かったと思う。
そして、今日はこの学校の入学式だ。
僕は無駄に最高ランクのSなので、特進クラスらしい。貧乏の才能でも、最高ランクは少ないからだろうか。
「真昼〜!!!」
突然、後ろから声をかけられた。振り向くと、そこには幼なじみの東雲くるみがいた。
「くるみか。おはよう」
「おはよー!!!真昼!!!」
くるみは、僕の才能がわかってからも僕のそばにいてくれた唯一の友人だ。いつも明るくて、元気をもらっている。
くるみと共に学校へ向かうことにした。
「真昼は特進クラスだよね?」
「うん」
「おれはAだから、普通にクラス分けされてるんだろうなぁ〜あ〜あ、真昼と同じクラスだったら良かったのに〜ザンネン」
くるみは、手芸の才能を贈られた。ほんとに、羨ましい限りだけど、友人として祝福するしかなかった。
しばらくすると、学校へ着き、くるみとは別れて特進クラスへ向かう。
特進クラスは、一言で言うと個性的だ。
才能の最高ランクたちが揃っているため、才能のぶつかり合いがすごい。
(えーっと、五条…五条っと…)
教室の教卓の上で、自分の座席を探す。僕の席は、窓側の一番後ろだった。