「マオ、人間を石にするのはもう止めて」
セーラは顔を上げてマオをまっすぐ見つめた。
マオがついにこの時がきたとニパッと笑った。
「セーラが僕に純潔を捧げてくれたなら、皆を元に戻すよ」
今甘えていたかと思えば、次はぷいっとそっぽ向いて気を惹こうとしてくる猫みたいなマオにセーラは翻弄されてしまう。
「純潔?!」
純潔を捧げるとは、異性と裸で交わり合って子作りすること。
つまり、要求はセックスさせろ!だ。
「僕はセーラを女として愛してるんだ」
「愛してる?!」
「抱きたいんだ」
「だ、抱く?!」
マオから飛び出す思春期男子筆頭ワードの数々に、セーラは頭がクラクラした。
「セーラを僕で貫いて楔を打って、この世界に繋ぎ留めたい」
「僕で貫くは、すでは親父ギャグでは!ハッ!マオはすでに100歳越え!?思春期なのかオッサンなのかわかんないよマオ?!」
「僕はもうすっかり、セーラよりは年上だよ?」



