セーラがあまりに眩しくて目を両手で塞いていると、マオが優しい声で女性たちを嗜めた。


「みんな、彼女はセーラ。僕の大事な聖女様だよ」

「まあ!本物の黒髪!」

「聖女様だわ!」

「僕は彼女を愛してるんだ。応援してくれるよね?」

「「「マオ様が愛してる聖女様?!」」


セーラの黒い瞳には眩し過ぎて顔面も見えない発光令嬢たちは、マオの声を聞いて声を爆発させた。


「「「推せますわぁあ!!」」」

「そういうことで、じゃあみんなよろしくね」

「「「魔公爵様×聖女様だなんて!解釈相違ないですわぁあ!」」」


マオはにこりと外行きの顔で笑うと、発光令嬢たちを置き去りにした。マオの背後で彼女たちのまだまだ高まる声が聞こえた。


「マオ!あの人たちに魔法かけてるでしょ!あれは何?!」

「僕のことを手に入れたいとか、僕の子どもが欲しいとか?全く脈もないのに言い寄って来る女の成れの果て?」

「魔王ジョークが強烈過ぎる!」