ケラケラ笑い飛ばすセーラをご機嫌に抱っこして足を進め、マオはきゅんと顔を蕩けさせて笑う。


国王との謁見は本当にマオ抱っこのまま行われて、国王様は目を丸くしてマオの奇行を見ないふりしてくれた。この島国の国王は妙齢のおじさんで、気の弱そうな線の細い人だった。


「マーオーさーまぁあ!!」


謁見を終えて王城の廊下を移動しているとマオの周りを突然貴族の女性たちが囲んだ。


王城内でティーパーティーでもあるのだろうか。着飾った貴族女性たちは黄色い声を上げてセーラを抱くマオにすり寄った。


「キャア!みんなマオ様よぉお!」

「マオ様!その女性はどなたですの?!」

(ま、まま眩しい!!)


セーラは女性たちのキャッキャ攻撃に、マオったらモテるー!と思うどころか失明するかと思った。彼女たちは顔も見えないくらいにキラキラしている。


(マオの金色魔法にかかってる?!)