再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─



にっこにこのマオに手を引かれたセーラは、客間に案内された。


客間には昨日挨拶しそびれた召喚士が待っていた。白フードを纏った彼女は意外な人物だった。


「彼女はアイビンのひ孫。ビンビンだよ」


マオの紹介に彼女はきちんと頭を下げた。ビンビンは瓶底眼鏡をかけていて全く目が見えない。セーラはマオの短い紹介に丸い黒目をぱちくりした。


「アイビンのひ孫?!」


顔のサイズに合わない瓶底眼鏡で顔を隠す彼女が、アイビンの血縁だと聞いて驚いているうちに、セーラはマオに手を取られてソファに案内される。


ソファに座ったと思ったが、セーラはなぜかマオの膝の上に着席していた。


「あの、マオ?」

「何?セーラ?」