にっこにこのマオに手を引かれたセーラは、客間に案内された。
客間には昨日挨拶しそびれた召喚士が待っていた。白フードを纏った彼女は意外な人物だった。
「彼女はアイビンのひ孫。ビンビンだよ」
マオの紹介に彼女はきちんと頭を下げた。ビンビンは瓶底眼鏡をかけていて全く目が見えない。セーラはマオの短い紹介に丸い黒目をぱちくりした。
「アイビンのひ孫?!」
顔のサイズに合わない瓶底眼鏡で顔を隠す彼女が、アイビンの血縁だと聞いて驚いているうちに、セーラはマオに手を取られてソファに案内される。
ソファに座ったと思ったが、セーラはなぜかマオの膝の上に着席していた。
「あの、マオ?」
「何?セーラ?」



