長い金色の睫毛に目を伏せて、しょんぼり顔を見せるマオは可愛かった。 「どこにも行かないのに。きちんと私の気持ち考えてくれて、いい子だねマオ!」 すっかりセーラより背が高くなってしまったマオの腰を屈ませて、セーラは金色猫毛の頭をよしよし撫でて手放しで褒めた。 外から鍵をかけて軟禁してやろうという発想自体を責めるところだ。だが、セーラは彼を常に褒めるスタイルである。 これぞ慈愛の聖女セーラが自然と成して来た魔王育ての肝だ。 「セーラって絶対僕のこと褒めてくれるから好き」