さらっとまた眉をハの字にしてしょげた猫みたいな顔で寂しそうにマオが笑う。
「情けないけど公爵に収まってるよ。ごめんね、召喚士の方が良かった?」
セーラは首をぶんぶん振った。
「魔王が公爵なんてすごい!みんなに認められてる証拠ね!」
(セーラに褒められた褒められた……100年ぶりッ!)
セーラが腕の中で、あの頃と変わらずにすごいと心から手放しに褒めてくれて、マオはセーラを抱き上げる腕に力が入った。唇を噛みしめて顔が緩むのを抑えるが、震えるほど嬉しかった。
「ありがとう、アイビンのおかげだけど。がんばってきたかいがあるよ」
「もっとマオがどう過ごしてきたか聞かせて?」
「もちろん、たくさん話したいよ。でも、今日はもう遅いから、明日にしよう」



