再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─


マオはセーラに背を支えられて、優しい手にゆっくりと涙を拭いてもらう。セーラの微笑みは慈愛に満ちていて、マオを釘付けにした。


「マオの怒りの表し方は稚拙でした。エルトン君に刃を向けたことは私からも謝罪します。

ですが、皆さんもご存知の通り。


マオは1年間どれだけ虐げられようと一度も彼に反撃しませんでした。

マオだけを責められるでしょうか」


セーラはマオの肩を優しく抱いて、聴衆に語りかけ続ける。


「マオは私のために怒ってくれる優しくて、いい子です。


いい子の彼を魔王たらしめてしまうのは、

周りの、皆さんの心にある怯えなのではないでしょうか」


心ある貴族たちは胸が痛んだ。