再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─



「マオ、生まれたのが間違いだったなんて!

二度と言わないで!」

(聴衆用の演技が、セーラに一番響いちゃってるよこれ……)


マオは思わず笑みが漏れそうなのを隠すために、両手で顔を覆った。聴衆にはまだマオが泣き崩れていると伝わる。


セーラはマオの金色猫毛をいつものように優しく撫でた。


「皆さん、聞いてください」


セーラはパーティ会場の真ん中で、マオを撫でながら聴衆に向かって口を開いた。



「バカな子だと言われて育てば、

バカになります。


賢い子だと言われて育てば、

賢くあろうとします。


魔王だと言われて育てば、

魔王が育つのではないでしょうか」