「マオ、生まれたのが間違いだったなんて!
二度と言わないで!」
(聴衆用の演技が、セーラに一番響いちゃってるよこれ……)
マオは思わず笑みが漏れそうなのを隠すために、両手で顔を覆った。聴衆にはまだマオが泣き崩れていると伝わる。
セーラはマオの金色猫毛をいつものように優しく撫でた。
「皆さん、聞いてください」
セーラはパーティ会場の真ん中で、マオを撫でながら聴衆に向かって口を開いた。
「バカな子だと言われて育てば、
バカになります。
賢い子だと言われて育てば、
賢くあろうとします。
魔王だと言われて育てば、
魔王が育つのではないでしょうか」



