再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─



何の罪を犯したこともない子どもが、

魔王、魔王と呼ばれ蔑まれる。

その事実に子どもが自ら殺してと叫んでしまった。



「僕なんか死んだ方がいいんだよ!」



彼がどれほど傷ついていたか、聴衆たちは深く知った。


息を飲み、己の胸に手を当てる者が続出する聴衆の真ん中で、セーラはマオを強く抱き締めた。


マオが嘘泣き顔を上げると、セーラは黒い瞳からぼろぼろガチ涙を零していた。


その顔を見て誰よりギョッとしたのはマオである。


(あれ、セーラ?僕の演技につき合ってくれてるんだよね?)


泣きの演技を熱演していたマオの前に、迫真の演技どころか、ガチの感情でセーラが乗り込んで来た。