「聖女様……」
「ビンビン、静かにしておいてあげましょうか」
セーラとお茶の約束をしていたビンビンとデュオが、ガーデンテラスの入り口で二人の愛々しい光景を見守って、お互いにシーと指を立てた。
陽だまりの中。
聖女の膝に甘えて寝転びヨシヨシされた魔王の姿は、あまりに平和で温かい。
ビンビンは隣に立つデュオの手をそっと握る。デュオは瓶底眼鏡のないビンビンの素顔を見て、首を傾げた。
「デュオ様ご存知ですか?聖女様は召喚されてから、一度も自ら楔をお使いになりませんでした。使おうとなさったことすらない」
「意外と平凡な方ですからね」



