うっとり長いキスに終わりをもらって、セーラがくったりマオの肩に顔を預けると、もう忘れてしまうほど久しぶりの青空に包まれていた。
セーラは顔をあげてきょろきょろと周りを見渡して、洪水の脅威が去ったことを知った。セーラがキスに溺れている間に、世界が変わっていた。
「やっぱり、マオは天才!」
「セーラがそう、育ててくれたからね」
セーラは洪水の脅威が去った感激をほぅと一つの息に込めて吐き出してから、マオの頬を撫でて優しく笑った。
「雨が、止んだね」
セーラの晴れ晴れした笑顔に、マオの幼き記憶が蘇った。
マオの上に降る雨が、いつでも上がりますようにと、セーラが祈りを込めて授けてくれたこの貴い名前の意味を。
「僕、セーラが望んだように、生きてるかな?」
マオが眉をハの字にして、セーラに問いかける。マオの全てを彼女に捧げても足りないくらい、彼女は神々しい。そんな彼女の望むように生きることが、マオの喜びだ。
「もちろん。マオは、最高にいい子!!」
真っ青な空に包まれて、セーラがマオを抱き締めると、マオの金色の瞳が柔らかく細くなった。そのとろっとろの笑みは全て、聖女のものだ。



