ごうごうと狂暴な水の音が響き、雨が降り注ぐ空の上でマオの優しい声がセーラの耳を支配する。
「私を召喚した感じで、物を移動させるってこと?」
「そう、だからこの力を使えば、この洪水を丸ごと違う場所に」
「移動できる?!」
セーラは興奮してマオの肩を揺すった。
「まだ若いビンビンには難しいと思う。でも100年魔法を磨いた僕なら可能性はある」
セーラの爛々と希望に満ちた黒い瞳に魅入られて、マオがとろっとろに微笑む。
「でも神力は使ったことがないんだ。僕にできるかな?」
「マオならできる!だってマオは、
天才だから!!」
『マオは天才!』
幼い頃からセーラはマオにずっとそう言い続けてくれた。マオはセーラだからこそ育てられた天才だ。



