マオが真っ黒の空へとセーラを片腕に軽々乗せて浮き上がる。空を舞うなんて簡単なこと、雨を避けるなんて些細なこと、雲を割って晴れ間を覗かせるなんて息をするようなこと。 でも、これだけができなかった。 召喚士が扱う、神力魔法だ。 黒々とした雲の近くまで空に上ったマオが、片腕に抱いたセーラを見つめる。 「神力魔法の特性は召喚、つまり物質転移だよ」