この雨が上がったら、なんて思っていた。だが、もう今すぐマオの我慢を終わらせてあげたかった。
セーラを想って我慢し続けてきたマオが
健気で、いい子で、純愛で。
誰より愛しかったから。
セーラにお茶を淹れてくれたビンビンが隣に座ったので、セーラはズイズイと顔を寄せて耳打ちした。
「さっきの怖くなったって話聞いて思ったんだけど、もしかしてビンビンちゃんは、もう、純潔じゃな……?」
「聖女様、それは言わない約束です。もう召喚士の神力魔法は使えませんが、一般魔法は使えますのでご心配なく」
この狭い王城内に多くの貴族が避難生活をすることになり、すでに聖女を召喚し終え、石化魔王の謎が解けた今。ビンビンが召喚士でいる意味もなくなった。
部屋数の関係で同室を強いられる中、ビンビンとデュオはすっかり同室でお暮しだ。
外に出ることもできない軟禁生活の中でスることと言ったら、それくらいで。子どもが量産されそうだと国王は笑っていた。
「ねぇ、ビンビンちゃん!純潔がなくなった後のことで、聞きたいことがあるんだけど!」



