再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─




「って感じなのよ」


セーラは昨夜のマオの様子をビンビンに語りながら、階段を上って行く。瓶底眼鏡の奥で、ビンビンは遠い目をしてマオが性欲を飼いならす様を不憫に思った。


(お疲れ様です、マオ様……)


セーラより早くひょいひょいと階段を上り切ったビンビンは踊り場でセーラが上り終わるのを待った。


眼鏡を外して丁寧にハンカチで拭きながら、ビンビンがぽつりぽつりと想いを語る。


「マオ様は今回の一件で、人助け魔公爵の地位も信頼も失うことなく、むしろ最高の信頼状態を確立し、愛しの聖女様の召喚にまで成功しました。


この大洪水さえ終われば、マオ様の総取りです。マオ様は本当に、すごいお方」