膝に甘えるマオの金色猫毛を撫でて、セーラも必死に考える。マオが最終手段に出る前に、この大洪水を止める方法だ。
(そんなことできる?!)
セーラが黙っていると、マオの目蓋が重そうに下りてくる。
「マオ、眠い?今日はここで寝る?」
ハッと正気に戻ったマオは、すぐに立ち上がって素早くドアを目指した。
(めちゃくちゃ素早いな)
セーラがドアの前まで見送るためにとことこ後ろを歩いていく。ドアの前で振り返り腰をかがめたマオがセーラにキスをしてくれた。柔いやわいキスが額と頬と唇に順番にふにふにくっつく。
優しいキスを受け取ると、マオがセーラを抱き締めて大きくため息をついた。
「セーラ、簡単にここで寝るって誘わないで?」



