再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─


きっとマオは一人でたくさん泣いて、たくさん悩んで今ここにいる。マオが決して諦めなかったからこそ、マオとセーラはまた出会うことができた。


マオは石化魔王だが、セーラはマオが決して人を傷つけないと信じている。

マオはいい子だ。こんなにいい子のマオをセーラは全身全霊を持って愛しきりたい。


「こんな平凡な私でいいの?」


黒い瞳を潤ませたセーラが自信なさげに首を傾げると、マオが破顔した。


「セーラは僕にとって、誰より特別だよ。僕を震わせるのはセーラだけだ」


マオが誰にも見せないそんなふにゃふにゃの顔で笑ってくれると、泣きたくなるくらいに嬉しかった。


「ありがとうマオ、私を愛してくれて」


セーラがゆっくりと左手を差し出す。マオがぱちぱちと瞬きすると、金色の薔薇が指輪へと変形した。