『愛する者を信じ切れることは、人生最大の喜びだった』 アイビンが遺した言葉を思い出して、ビンビンの目に涙が溜まる。召喚士としての義務、彼を愛するただの女の自分が争いあって、目頭が痛んだ。 ビンビンはその場から走って逃げ出した。召喚士の責務も恋心もすぐには捨てられなかった。 (私はもう、誰も信じられない……!) パーティ会場から逃げ出したビンビンが走り抜ける廊下では、聞いたことのないほど轟音の雨音が鳴り響いていた。