マオが耳奥で話すたびにゾクゾクが腰を這いあがる。セーラがビクンビクンと厭らしい反応をするのが堪らなくてマオの息も荒くなる。
(耳の中、全部マオの声で埋め尽くされてる……!)
乱れる息さえも直接耳の中に注がれる。セーラが耳からの刺激に過剰にビクつくのを全部マオの腕に抱きとめられて、快感を逃がすことすら許されなかった。
「セーラに自分から抱かれたいって言って欲しい」
「んッ、もう……マオ耳やだ熱い」
「セーラが欲しいよ、ずっとたまんないよ、セーラ大好き。愛してる、ずっと大好き」
身体中が熱を持ってマオに集中している間に、落雷が過ぎ去った。そのことに気づいたのは随分たってからだった。
マオに耳奥で延々と愛語を告げられて、セーラはくったりマオの胸にもたれた。
(こんなに愛されて口説き文句耳に垂れ流されて……好きにならない方がムリだよ)



