セーラが勇気を持って耳を塞いでいた両手を緩めると、落雷より先に、マオの声が耳を独占した。
「僕は、セーラが許してくれる限りずっと側にいるから」
マオはセーラの耳に落雷の音が入る余地がないほど、耳元に唇をくっつけて耳の奥に直接語り掛けてくる。
「セーラって全部可愛いね。拗ねてもむくれても雷に怯えてても、弱いところ全部好きだよ」
「ッ……マオ、耳がくすぐったぃ」
「目の前にいて触れてあったかいセーラはここにいてくれるだけで、僕を全部満たしてくれる」
セーラの耳が真っ赤に燃え上がって、耳の奥から痛いくらいに熱い。痺れて肩がぎゅっと持ち上がって力が入る。
マオの腕に抱かれて、落雷の音をかき消すために耳の奥でずっとマオが愛を語り続ける。
「セーラが大好き。今すぐ純潔を奪ってやりたいくらいずっと欲してる。でもセーラが一番大切なんだ。だから待てを選べるよ」
「……ッン」



