再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─



「悲しみの大きさは他人には決められないよ。

セーラが両親を喪った悲しみも、僕がセーラを取り戻せなかった悲しみもね」


マオは雷を恐れるセーラを子どもみたいだなんてバカにしない。

悲しみの大きさは本人にとっての、真実だ。


耳を全部塞いでしまっているセーラにマオが語りかける。


「安心して、好きなだけ、いつまででも怖がっていいよ」


眉がハの字に下がった優しい顔に、セーラは涙がせり上がった。


(マオが一緒に、いてくれるの?)