「悲しみの大きさは他人には決められないよ。 セーラが両親を喪った悲しみも、僕がセーラを取り戻せなかった悲しみもね」 マオは雷を恐れるセーラを子どもみたいだなんてバカにしない。 悲しみの大きさは本人にとっての、真実だ。 耳を全部塞いでしまっているセーラにマオが語りかける。 「安心して、好きなだけ、いつまででも怖がっていいよ」 眉がハの字に下がった優しい顔に、セーラは涙がせり上がった。 (マオが一緒に、いてくれるの?)