再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─


マオの腕が熱く優しく、セーラを抱き締める。


優しい腕に絆されて、セーラの口からぽろぽろと想いが漏れる。


「人って急にいなくなるんだって、こ、怖くなって」



それから

一人で無意味に生きてきた。



「両親の事故があったとき、私はもう成人してて。生活に困ったわけじゃない。

そんな大げさに嘆くほどの不幸でもない、は、はずなのに……」


セーラは怖くなってしまった。大事な人が急にいなくなるのが、何より怖くなった。


だからそれなりにふわふわと、誰とも適当な距離感で、なんの情熱も、意味もなく。


平凡に生きた。