クローゼットの端っこで両手で一生懸命耳を塞いで音を殺して、目を瞑って、クローゼットの中で落雷が去るのを待つセーラをマオがひょいと姫抱っこして引っ張り出した。 「おいで」 「マオ?」 両手で耳を塞ぐのに必死で、セーラにはマオの声が聞こえなかった。 でもひょいと抱き上げられて、クローゼットの中から連れていかれる。 「怖いなら、僕が一晩中抱っこしてあげる」 ソファに座ったマオの膝の上に横抱きに乗せられて、大事に抱き締めてもらうと、マオの言ってくれることに想像はついた。一緒にいてくれるのだ。