セーラの黒い瞳に涙が浮かんだ。アイビンが最後の最後までセーラの願いを守ってくれたことに、何度でも感謝がこみ上げる。 セーラにハンカチを渡して、ビンビンは手紙の最後を読んだ。 『魔王マオは召喚士アイビンが、 生涯を通して最も信頼した人物である。 愛する者を信じ切れることは、人生最大の喜びであった』 「アイビンは、マオを最期まで信じてくれてた」 (栄光の召喚士アイビンが、最後にこれを告げた意味は何でしょうか) 「そうだよね、アイビン、マオは……いい子だから」