セーラは黒い瞳をガン開いて、どんどん本に埋まっていくビンビンを横目に、本を捲る。
(えっちな指南書っていうか日記!ま、まさかのアイビンのえっち初体験記!!)
なんてあられもないものを残しているのかアイビン!と心の中で叫んだが、セーラは純潔喪失を前に知識を欲していた。
あの堅物アイビンの赤裸々えっち初体験記だなんて食い入らない方がムリだ。
セーラは壁にもたれて隠れるように膝を抱えて、著者アイビンのエロ文を追った。
(アイビンったら、小難しい書き方するくせに、すごいエロいですけど……!)
アイビンの初体験記をセーラは日が暮れるまで読みこんだ。
いつの間にか、部屋にはビンビンの照明魔法が灯っていて、ビンビンがセーラを見下ろしていた。
「聖女様、一生懸命に何を読んでおられるのですか?」
「あ、あーこれはその、代々伝わる例の指南書?」
「察しました」



