代々聖なる神力に選ばれた召喚士を生み出してきたビンビンの一族は、高い位と権力を持っている。だが、おごらずひっそりと町に馴染んで暮らし続けてきた。
町で一番大きな屋敷ではあるが、豪華絢爛とは程遠い質素倹約な装いの屋敷が、真面目なアイビンやビンビンの人柄を示している。
屋敷内を一通り案内されたセーラは、ビンビンと共に小綺麗に整理整頓されて本が立ち並ぶ資料室にやってきた。
「ビンビンちゃん、アイビンのものって何か残ってる?」
「私も実家にアイビンの手記などが残っていないか、探しに来たのです」
「そうなの?じゃあ私も一緒に探す!」
セーラはなんとビンビンも目的を同じくしていたことに驚き、そこでハッと気がついた。天啓だ。



