二人でクスクス笑いあって世界を作り上げる聖女と魔王だが、召喚士は待ちぼうけだ。ビンビンが一人で実家に帰りたいの意志は完璧にスルーされていた。
「明言されていませんが、私の帰郷に、聖女様を連れて行けってことですね」
「君は賢くて助かるよ」
一つため息をついたビンビンは、聖女を連れて帰郷した。
ビンビンの実家は王都から馬車で一日もかからない場所で、過去には程よく栄えた町だった。だが、すでに石化魔王による被害を受けており、無人となっている。
実家の屋敷は、たまに帰り魔法で掃除などをしているために、それほど寂れてはいなかった。



