ビンビンが顔のサイズに合わない瓶底眼鏡を持ち上げて、マオとセーラが二人で朝食を終えたあとのお茶を飲んでいる席の前に立った。


「私、実家に帰らせて頂きます」

「え、どうしてビンビンちゃん?何があった?まさか恋患い?!」


召喚士であるビンビンが公に恋愛中と告げることさえご法度であるのに、セーラははきはきと疑問を口にしてしまった。


「セーラ、まさか僕の義息子がやらかしただなんて、わかってても言わないであげて?」


マオが目を細めて余所行きの笑顔でセーラに微笑む。ビンビンもさすがにご当主にはバレているとデュオから聞いているので、押し黙った。


「わ、私何も言ってないよマオ!」