芽生えた不穏な空気を全く察しないセーラは聖女屋敷に帰ってから、マオの部屋に入り浸っていた。マオに部屋の合鍵をもらい、いつでも入っていいと言われたのだ。


(お仕事参観では石化魔王の功績を知れたから大収穫。きっとこの紙だらけの部屋にも何かあるんじゃないかな。本当のマオを知る何かが)


100年の間にマオが何を考え、どうして石化魔王になる道を選んだのか知りたいセーラにとって、この紙埋もれ部屋は情報の宝庫のはずだ。


情報を求めてセーラはマオの部屋をくまなく捜索した。

現役で使われていそうな特大豚ぬいぐるみや、懐かしいアイビンの杖なんかを発見してニマニマしてしまった。


(金色の薔薇、置いておいてくれたんだ)