「抱っこした方が喜んでくれるならもちろんするけど……あれはセーラの自由を勝手に奪って、僕の不安を押し付けてただけだから。もうやめるよ」
眉をハの字にして、ずっと抱っこして持ち運びたいセーラの自由を確保したマオはきちんと抑制が効いていた。マオは昨夜言ったように、やり直すことにしたのだ。
「僕が押し付けたいことじゃなくて、セーラが喜んでくれることをしたいから」
セーラは黒目をぱちくりさせて、またマオがセーラのためにと行動してくれたことに頬が緩んだ。
「私のこといっぱい考えてくれて、ありがとう、マオ。マオはとってもいい子ね」
「ありがとう、セーラ。手を繋ぐのはいい?これは、僕がしたいことかな?」
「私も、マオと手を繋ぎたいよ?」
「良かった!」



