再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─


セーラがお仕事参観のために一歩、聖女屋敷を出ると、セーラの両脚が足がさっと透明になってしまったのだ。ビンビンは瓶底眼鏡が吹っ飛ぶくらい驚いた。


だが、足自体はそこにあって問題なく動く。足が見た目上、透明になるだけだったので魔王ドッキリだな!と思ってここまでやってきた。


セーラが勝手に聖女屋敷を出ると透明魔法が発動してマオに伝わる仕組みだと、ビンビンは気づいていた。


(人の足を透明にするなんて、趣味が悪いと思います。悪戯だなんて笑って済ませてしまうなんて、聖女様はなんて懐の広いお方……!)


マオが金色の瞳をパチパチ瞬きしてドッキリ魔法を解除する。セーラの透明になった足が元に戻った。マオは口を尖らせてセーラをたしなめる。


「勝手に出ないでって言ったよね。言ってくれれば、連れて行くのに」

「だって、こっそり見たかったの……その、マオがお仕事してて、かっこいいところ」

「許す!!」