壁に押し付けた豚のぬいぐるみをボッコボコのめった殴りして、マオがセーラへの欲情で癇癪を起している。
セーラの前で見せた紳士ムーブの顔はどこへやら。マオの本音がだだもれだ。
デュオは無表情で部屋の端の椅子に座る。美貌を誇る義父が半狂乱で豚をメッタ殴りにするその地獄絵図を眺めた。
「抱ーきーたーいー!!私なんて無価値?!何言ってんの?!可愛い過ぎる罪こそがギルティイ!!」
マオが魔法を使わず物理の拳で殴り続けて粉砕した豚のぬいぐるみが、粉々になった途端に音もなく復元されていく。
召喚士アイビン特製の豚ぬいぐるみ復元魔法は死んでも健在である。
「セーラの勘違いダメなところもっと見たい、全部みたい絶対可愛い絶対好き、ものすごいどうしようもないイケないところとかあるなら、むしろ見てみたいに決まってる!!」
(こんな人だったかな?)



