マオの金色に輝く笑みに、セーラの鼻の奥が不意にツンと痛んだ。
こんなにも真っ直ぐ求めてもらったことが、なかったから。
「僕の人生に、セーラを愛すこと以上の意味なんてなくていい」
美しいマオの神々しさに酔いそうだった。
マオはセーラの愛を求めている。子に向ける無償の愛ではなくて、求めあって、もっとドロドロした熱量のある想いのことだ。
「そんな、いっぱい愛してるって言ってもらって、嬉しいんだけど、ちょっとどうしたらいいかわからない……」
不意に鼻の奥を突いた痛みを誤魔化せるわけもなく、セーラの目に張った膜にマオが気づかないわけもなかった。
「セーラって意外とすぐ泣いちゃうね。力を入れれば折れそうで、実は自信がないなんて知らなかった。本当のセーラを見せてくれて、嬉しいよ」
マオは床に跪いて、セーラを見上げて蕩けるように笑った。



