再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─


マオの金色に輝く笑みに、セーラの鼻の奥が不意にツンと痛んだ。


こんなにも真っ直ぐ求めてもらったことが、なかったから。


「僕の人生に、セーラを愛すこと以上の意味なんてなくていい」


美しいマオの神々しさに酔いそうだった。

マオはセーラの愛を求めている。子に向ける無償の愛ではなくて、求めあって、もっとドロドロした熱量のある想いのことだ。


「そんな、いっぱい愛してるって言ってもらって、嬉しいんだけど、ちょっとどうしたらいいかわからない……」


不意に鼻の奥を突いた痛みを誤魔化せるわけもなく、セーラの目に張った膜にマオが気づかないわけもなかった。


「セーラって意外とすぐ泣いちゃうね。力を入れれば折れそうで、実は自信がないなんて知らなかった。本当のセーラを見せてくれて、嬉しいよ」


マオは床に跪いて、セーラを見上げて蕩けるように笑った。