「今度はセーラの部屋が埋まってしまうから、もらわなくていいいよ?」
「可愛い私のマオが、私に向けて書いてくれた大事なものだから。
100年分、全部欲しい!」
セーラが当然!と明るくマオに笑いかけると、マオの眉間に深い皺が入ってしまった。
「あんまり煽らないでセーラ」
劇的に歪んだ苦し気なマオの表情を見て、セーラの胸が痛んだ。
次の瞬間、セーラの視界が反転して、ベッドに背中が吸い寄せられた。
セーラの腹の上にマオが跨って、顔の両側に男らしい骨ばった掌がついた。真上からマオに見下ろされて、セーラはこの部屋に連れ込まれた目的をやっと思い出した。
「もちろん手紙は全部あげる。でも、100年分、僕の想い全部受け取ってくれるなら、
まずはこの純潔をちょうだい?」



