仮面ライダー クラウド

 二人は都内のアパートに引っ越してきた。 「何だか新婚さんみたいね。」
「そうだね。 さて荷物を運び入れるか。」 テーブルやソファー、テレビにエアコン、どの家にも在りそうな家財道具を運び入れる。
 「パワーハンドを使えたらいいのになあ。」 「私たちがライダーだってことは極秘なのよ。 我慢しなさい。」
「厳しいなあ。」 「しょうがないじゃないの。 ドン石川が消えるまでは。」
「そうだね。 純子ちゃん。」 「まったく、、、。 都合がいいんだから。」

 その頃、救難隊本部では? 「今日も新しい装備のテストをやる。 配置に付いてくれ。」
本部長を継いだ片桐が支持をしている。 今日はスーパーモグラのテストだ。
 実験場の地下350メートルに在る模擬通路に隊員が入ったのを確認してからテストが始まった。
「よし。 ビル爆破!」 実験場中心に有るデモビルが爆破されると救難隊 ホワイトスペースが飛び立った。
 その頃、、、 「俺たちをここに入れてもらおうか。」
「何だ お前たちは?」 「名前など名乗る必要は無い。 ゲートを開けてもらえばそれでいい。」
「部外者の侵入は禁止されている。 帰ってもらおうか。」 「いい度胸だね。 これでも入れないのかな?」
 黒服の男たちがマシンガンを乱射した。 警備員たちは次々と倒れていった。
「警報です。 実験場に侵入者が、、、。」 「何だって? 侵入者?」
 その知らせを受けたホワイトアローが実験場へ向かった。 スーパーモグラの救出テストは始まったばかりだ。
だが火炎放射が凄まじくてホワイトアローが接近できないでいる。 「クラウド ローザス 緊急指令だ。 実験場がやられた。 急行してくれ!」
 「この幸せな時に緊急指令かよ。 考えてよ。」 「何言ってるの? 行くわよ!」
純子が飛び出していくのを見ながら飛び出していくのである。 「行くぞ!」
 クラウドスタートローザスジェットが爆走している。 「走っていては間に合わないな。 チェンジするぞ!」
「オッケー。 クラウドジェット ゴー!」
 説明するまでもないがクラウドスタートローザスジェットは合体することで飛行形態にチェンジするのである。
「あれだ。 降下するぞ。」 クラウドが実験場中心部に降下する。
「やあ、サイボーグ諸君 また会えたね。」 「何をする気だ?」
「救難隊に動き回られては困るんでね。 潜っているスーパーモグラを爆破するのさ。」 「そんなことはさせないぞ。」
「オーオー、元気だけはいいねえ。 褒めてやるよ。」 男は口笛を吹いた。
 「何だ?」 「こいつは粘着力の強い泡を吐くんだ。 逃げられるかな?」
「クラウド あれは超淡白よ。 気を付けて。」 「さあ地獄絵図の始まりだね。 お二人さん。」
 スーパーモグラが掘り進んでいる通路に戦車が入っていった。 「5分もすればスーパーモグラは機能を停止する。 そうすれば地価の隊員もろとも吹き飛ぶことになるだろう。 フフフ。」
「そんなことはさせないぞ!」 「じゃあ、この泡を処理するんだな。」
男が電波を放出し始めた。 ローザスが苦悶している。
 「ほう、ローザス君はこの電波には弱いんだね? もっと苦しんでもらおうか。」 「ローザス! 泡に気を付けろ!」
だがローザスは地面を転がり続けている。 やがて泡の中に入ってしまった。
 「この泡は3分で特殊金属も溶かしてしまうんだよ。 仲間を見殺しに出来るかね?」 「ローザス!」
泡の中でローザスはもがいている。 クラウドは手を出せないでいる。
「どうしたらいいんだ?」 怪人はさらに泡を吐き続ける。
 「仲間を助けたければ君のエネルギーベルトを寄越すんだな。」 「しかし、、、。」
 エネルギーベルトには超小型原発が二つ組み込まれている。 これ一つで一国のエネルギーを一年間供給できるくらいの優れ物だ。
「渡さなければローザス君は解け砕けることになる。 それでもいいのかな?」 その時、、、。
 「エレキハンドを使え。」 頭の中で声が聞こえた。
 実は危機に陥った時のために黒沼は二人の頭脳に補助脳を埋め込んでいたのだ。
「そうか。 チェンジ エレキハンド!」 「ほう、何をする気かね?」
「こうするのさ。 電子分解光線 発射!」 すさまじいスパークが起きて泡が一瞬で消え失せてしまった。
 「クラウドカッター!」 「貴様! 覚えてろ!」
男をぶった切ったクラウドはローザスと共にスーパーモグラの救出に向かった。

 だが戦車を破壊しなければスーパーモグラを救出することは出来ない。 通路は狭くて割り込む隙間も無い。
「戦車から何か出ている。 気を付けろ。」 「これはガスね。」
「それにしても通路が狭過ぎる。 何とかしなければ、、、。」 「こちらスーパーモグラ。 テスト地点に到着。」
 すると戦車の動きが速くなってきた。 「もしかしてこいつは自動ミサイルじゃないのか?」
「よく気付いたな。 褒めてやろう。 だが後2分で爆発する。 それまでに助けられるかな?」 「やってやるさ。」
「クラウド、どうするの?」 「ナックルで通路を広げるんだ。」
「オッケー。 ウォーターナックル!」 「ほう、面白いことを始めたね。」
 ローザスがウォーターナックルで通路を横へ広げていく。 「電磁コントロール!」
「何? 戦車が戻り始めたぞ。 いかん、突っ込め! 突っ込むんだ!」 戦車はゆっくりと方向を変えた。
 「えーい、突っ込むんだ!」 無線に煽られた戦車が男に向かって突撃していった。
「ローザス 伏せろ!」 その瞬間、戦車が大爆発を起こした。
 「こちら、スーパーモグラ。 テスト隊員を救出。」 「よくやった。」
「これより地上へ戻ります。」 「途中、穴が大きくなっているから気を付けてくれ。」
「了解。」

 無事にスーパーモグラ大作戦は終わった。 しかしこれからも魔の手は二人に延びてくる。
どうする? クラウド。