私はエルムルナ様とともに、アグナヴァン様の元に呼び出されていた。
 私達が二人とも呼び出されるということは、恐らくドルマニア王国で何か進展があったのだろう。
 そう思い、私は少し身構える。

「察しているかもしれませんが、ドルマニア王国のパストマン教授から手紙が届きました」
「……そうですか? パストマン殿はなんと?」
「彼は、国王に直談判を行い、事件の原因が聖女ホーネリアにあることを追求しました。その結果、聖女ホーネリアは牢に入れられることになったようです」
「ホーネリアが?」

 アグナヴァン様の説明に、私は驚いた。
 ホーネリアが牢に入れられた。それは、私にとって信じられない報告である。
 だが、彼も先生も嘘をつくような人ではない。つまり、これは現実であるということだ。

「闇に落ちた聖女の愚行は、とりあえず止められたという訳ですか……」
「ええ、しかしながら、事態は変わらず深刻です。ドルマニア王国には、既に闇の魔力が充満しているようです。残念ながら、影響が出る前に止めることはできなかったようです」
「……そうですか」