翌日は朝から不動産屋へ行き、なるべく早く住むところを探す予定だった。

 しかし全くそんな気になれず、俺はホテルのジムで汗を流すことにした。

 ロスでは伯父の屋敷にジムが完備されていて、毎日トレーニングを欠かさないようにしていたが、帰国してから全く体を動かしていなかったので、たったの5日で筋肉が悲鳴をあげている。

 俺は無心になるため、徹底的に体を痛めつけた。

 午後になり、母親からメッセージが入っていることに気づく。

 帰国から一度も実家に寄っていなかったのでしびれを切らしているのだろう。
 さすがに今日は顔を出さないとな。

 そう思いながらも、気分は一向に晴れず、ホテルのベッドの上で鬱屈とした時間を一人で過ごしていた。


 ◇ ◇ ◇