俺はどうしてあの時ちゃんと話し合わなかったんだろう。
あの同窓会の日に戻れたなら、待っていてくれって、ちゃんと言ったのに。
掛け違えたボタンは掛け直せばいい。
でもこれは……もう元に戻れないじゃないか。
杏子はもう俺のいない人生を歩んでいる。
この部屋で。
どれほど泣いただろうか。
風呂にいる二人はまだシャボン玉で遊んでいるのだろう。
俺はどうしてももう一度女の子の顔が見たくて写真立てを手にしてみる。
やっぱり小さいときから杏子にそっくりだ。
これが俺の子だったら……。
ふと、別のチェストの上にも写真立てがあることに気づいた。
その横には小さな卓上ブーケが飾られてある。
「これ……杏子のおばあさんだ」
ここにこんな風に写真立てがあると言うことは、亡くなられたのかもしれない。
杏子は小さいときに実母を亡くして、おばあさんに育てられた。
そのおばあさんも亡くなったのか。
4年も経ったんだから、そういった変化も起こるだろう。
杏子はおばあさんっ子だったからきっと悲しんだだろう。
でも、あの旦那が傍で慰めたんだろうな。
当たり前か、旦那なんだから。
あの同窓会の日に戻れたなら、待っていてくれって、ちゃんと言ったのに。
掛け違えたボタンは掛け直せばいい。
でもこれは……もう元に戻れないじゃないか。
杏子はもう俺のいない人生を歩んでいる。
この部屋で。
どれほど泣いただろうか。
風呂にいる二人はまだシャボン玉で遊んでいるのだろう。
俺はどうしてももう一度女の子の顔が見たくて写真立てを手にしてみる。
やっぱり小さいときから杏子にそっくりだ。
これが俺の子だったら……。
ふと、別のチェストの上にも写真立てがあることに気づいた。
その横には小さな卓上ブーケが飾られてある。
「これ……杏子のおばあさんだ」
ここにこんな風に写真立てがあると言うことは、亡くなられたのかもしれない。
杏子は小さいときに実母を亡くして、おばあさんに育てられた。
そのおばあさんも亡くなったのか。
4年も経ったんだから、そういった変化も起こるだろう。
杏子はおばあさんっ子だったからきっと悲しんだだろう。
でも、あの旦那が傍で慰めたんだろうな。
当たり前か、旦那なんだから。



