二人がお風呂に入った後、タオルと着替えを用意し、私はリビングへ戻った。

 チェストの上には祖母の小さな遺影と小さな卓上ブーケが置かれている。
 祖母は華やかな色のお花が好きだったから、淡いピンクのガーベラを選んだ。
 本来ならまだ白のお花を供えるべきなんだろうけど、ここには身内しか訪れないからいいよね。

 お花の横には瓶に入ったカラフルなどんぐり飴も添えていた。
 祖母が私にくれた最後のプレゼントだ。

「お風呂に入っている間ならバレないよね……」

 ひなが欲しがるからなかなか口にすることができなかったけれど、今なら出てくるまで時間がある。
 そう思って、私はオレンジ色のどんぐり飴を一つ口の中に入れた。

 んー! あ、オレンジは味が濃い! おいしー。



 ――――――そう思った瞬間、私の意識はまた飛んでいた。