俺はそれでも諦めきれず、和久井工務店のホームページを探がした。

 だが昔ながらの工務店だからだろうか。ホームページ自体存在しなかった。
 
 完全にお手上げになってしまった。
 遠く離れたロサンゼルスで、俺は途方に暮れた。
 杏子の消息を知る者がどこにもいないのだ。
 
 日本への帰国を考えなかったわけではない。
 それから一年後、夏のバカンスシーズンに一度帰国しようと考えていた。

 しかし、思いがけない理由で帰国ができなくなる。
 俺がずっと引きずっていた事情で日本から両親がやってきたのだ。
 結局、問題が解決するまで日本へ帰国することはできなかった。
 
 3年目からは開発チームに参加したため、帰国は困難になった。
 弾丸で帰国したところで、他県に転職したという杏子を探す手がかりが見つかるかどうか……。
 
 そうして、4年が経ってしまった。

 見つけ出したとして、この4年で杏子を取り巻く環境はきっと変わっているはずだ。

 今どこで何をしているのか。
 たとえ結婚していたとしても、杏子の安否だけは知りたい。そう思っていた。