鷹也には知らせず、一人で産んで育てると決心した私は、鷹也と繋がるような可能性のあるものを一切排除することにした。
まずは会社を辞めて他県の会社に転職したと、嘘の情報を高校時代の友達に流した。
その後、メッセージアプリのアカウントを削除したのだ。
高校時代の友人は全てメッセージアプリで繋がっている。通話をする時だってメッセージアプリの無料通話だ。
だからアカウントを削除し、アプリごと消した。
もちろん念の為、携帯番号も変えた。
以降高校時代の友人とは一切連絡を取っていない。
元々、SNSを使って自らの情報を発信する類いのことは一切してこなかった私。
個人情報が守られている現代では、メッセージアプリのアカウントを消してしまえば、意外と過去を絶つことは容易だった。
もし鷹也が私に連絡をとりたくなったとしたら、最終手段として父の工務店を訪れることは出来たはず。
でも今のところ、そういったことはない。
そこまでして私に会おうとは思っていないということだ。
いや、もうすっかり忘れているかもしれない。
海外研修は3年だと言っていた。
あれから4年。私たちは今年29歳になる。
男性であっても、そろそろ結婚していておかくない年齢だ。
ひょっとしたら鷹也ももう結婚しているかもしれない……。
まずは会社を辞めて他県の会社に転職したと、嘘の情報を高校時代の友達に流した。
その後、メッセージアプリのアカウントを削除したのだ。
高校時代の友人は全てメッセージアプリで繋がっている。通話をする時だってメッセージアプリの無料通話だ。
だからアカウントを削除し、アプリごと消した。
もちろん念の為、携帯番号も変えた。
以降高校時代の友人とは一切連絡を取っていない。
元々、SNSを使って自らの情報を発信する類いのことは一切してこなかった私。
個人情報が守られている現代では、メッセージアプリのアカウントを消してしまえば、意外と過去を絶つことは容易だった。
もし鷹也が私に連絡をとりたくなったとしたら、最終手段として父の工務店を訪れることは出来たはず。
でも今のところ、そういったことはない。
そこまでして私に会おうとは思っていないということだ。
いや、もうすっかり忘れているかもしれない。
海外研修は3年だと言っていた。
あれから4年。私たちは今年29歳になる。
男性であっても、そろそろ結婚していておかくない年齢だ。
ひょっとしたら鷹也ももう結婚しているかもしれない……。



