『おじいちゃんには会えた?』
『まだだよ。もうすぐ会えるさ。ばあちゃんはまだ杏子のことが心配だったからね』
『……心配かけてごめん』
『……もう大丈夫かい』
『うん! 私、鷹也と結婚することになったの。……って、もう知ってるよね? おばあちゃんが仕組んだんだよね?』
『仕組んだってなんだい、人聞きの悪い。ばあちゃんはお願いしただけさ』
『ねぇ、一体何をしたの? おばあちゃんが融通さんにお願いしてどんぐり飴に何かしたの!? だから私たち入れ替わったの!?』
『これ、落ち着きなさい』
『だって、おばあちゃんと話ができるなんて思ってなかったから。もし会えるなら聞きたいことがいっぱいあったのよ? あの花まつりの日何があったのか。どうして入れ替わったのか』
『じゃあちょっと杏子とお茶でもしようかね』

 祖母がそう言うと、突然景色が変わり、私たちは素敵なテラスでお茶をしていた。

 テーブルにはアフタヌーンティーで使われるスリーティアスタンドが現れた。

 だがよく見ると上段は全て祖母のお気に入りだった和菓子ばかりだ。

 中段にはひなの好きなプリン。下段はどんぐり飴で埋め尽くされていた。