お義母さんはきっと確認したかったのだ。私の気持ちを。

 これから先は結婚して夫婦としてやっていけるのかということを。

 子供のためだけの結婚ではダメだと伝えたかったのだろう。

「杏子……幸せにする。もう絶対離れないから」
「鷹也……うん!」
「ゥッ……ゥゥッ……」

 ん? ええっ?

「お、お義父さん?」
 
 なぜかお義父さんが感極まって泣いている……。

「もぅー、お父さんったら! ……でも良かったわ。結婚はね、愛する人とするのが一番よ。家柄とか政治的なこととかそんなの関係ないの。私たちは二人が幸せな結婚をしてくれるならそれが一番だと思ってる。結婚式はどうする?」
「え」
「いきなりだな」
「もちろん挙げるよな? 杏子ちゃんの花嫁姿、和久井のお父さんも楽しみにされているだろう。順序が逆になったが挙げないとダメだ」
「そうよ。お父様に安心していただかないと! 私たちもなるべく早くご挨拶させて頂きたいわ」
「あ、はい!」
「たしかに挨拶は早くしないとな。杏子、日程調整頼めるか?」
「うん!」

 こうして私たちは結婚に向けて大きく動き出した。