何故だ? 知ってる!?
 誰も俺が子供好きなんて気づいていないと思ってた。

「好きでしょう? 気づいてたよ。いつもギロって子供のこと睨みながらも頭撫でたりしてた」
「……! に、睨んでないっ……」
「ちょっと……表情は練習した方がいいかも……」

 ハッ……まずい。俺、光陽の時みたいにひなに泣かれたらどうしよう!
 嫌われたら浮上出来なくなるかも……。

「鷹也……ひなの可愛い時、見られなくてごめんなさい」
「……俺は、ひなに父親だと名乗っていいのか?」
「当たり前でしょ! 私の誤解だったんだし。それに父親であることは間違いないんだから」
「うん……。でも俺……父親なだけか?」
「え?」

 ひなの父親であることは嬉しい。
 でもそれだけではダメだろう。

「俺はひなだけじゃなくて、杏子も欲しいんだ」
「鷹也……!」
「二人とも俺のものにしたい」
「あ……」
「杏子、俺と結婚して、俺を杏子の夫にして? あれ、違うか……。俺と結婚して俺の奥さんになって、だな」
「プッ……それ同じ意味」
「……そ、そうだな。つまりその……結婚、してください!」
「ふふふ……はい。よろしくお願いします。鷹也……ありがとう」

 4年越しのプロポーズはあまりにも不器用だったけど、杏子が笑って答えてくれた。
「はい」って。