元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました

「これだろう? これは従兄の光希。身内だから名字は省いて光希とだけ登録しているけど、フルネームは長岡光希だ」
「長岡光希? 藤嗣寺の? あっ……」
「なんだ、光希のこと知ってるのか?」
「お参りに行ったとき親切にしていただいたの。藤嗣寺の副住職さんよね? ひな、光陽くんと一緒に遊んだの。あのブランコとお砂場で」
「ひなと光陽が⁉」

 まさか俺の娘と光陽が友達だったとは……。
 
「そっか……だから入れ替わった時あそこにいたんだ」
「あの時は、ロスへ行ってる間に甥と姪が生まれていたのに、一度も祝いに行けてなかったから出産祝いを持って行ってたんだ」

 杏子は頷いてしきりに納得したようだったが、俺は全く納得していない。

 光希が一体どうして置き去りの原因になるんだ?

「それより、どうして光希のメッセージが――」
「だからその……私たちが別れてから鷹也は北九州に行って、寮に入っていたって言ったでしょう? だから光希さんとは会っていないんだと思ったの。それに光希さんとの結婚話が進んでいるなら、わざわざ私に声をかけたりはしなかっただろうと思ったし。だからあの夜、鷹也と……。なのに、朝起きたら光希さんからメッセージが入って、二人まだ続いていたんだって思ったの……」
「それで俺を置き去りに? くそっ! やっぱり黒島のせいか。いや、この場合光希のせいか?」
「私が勘違いしたんだよ……」
「あの日は朝起きたら杏子が隣にいなくて、なんで出て行く前に起してくれなかったんだって思ったよ。アラームじゃなくて傍にいて起こして欲しかった」
「……」
「起きてスマホを見たら、光希から立て続けにメッセージが入っていて、御札とお守りを取りに来いって連絡があったんだ。光希の父親、つまり母方の伯父から預かっているって言うから関空へ行く前に寺へ寄った」
「そっか……」